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株価評価を引き下げる方法

株価評価を引き下げる方法
類似業種比準方式は、それぞれの評価会社がどの業種にあてはまる(又は最も類似している)かということをまず判定し、比準対象となる3要素を比較していきますが、業種によってその3要素は大幅に変動しますので、売上割合を転換することによって、より株価が低く算定される業種に転換して、株価引下げを達成することができます。
この売上割合の転換のためには、主に下記の方法が考えられます。

富裕層のための相続税節税術

心配なのは「企業オーナーの富裕層」企業経営者やその親族の相続です。一代で財をなした創業経営者は巨万の富を築くことになり、その富は親族へと相続されていきます。
富の多くは創業した会社の株式、すなわち「自社株」や、不動産、金融資産などにも及ぶことがほとんどです。
規模が大きく、またその種類も多岐にわたるため、対策もしっかり行う必要があり、逆に失敗すればそれだけで巨額の相続税が発生する可能性もあります。

自社株の難しいところは、高いにもかかわらずすんなり売却できないところです。上場企業であれば、株を100といった少数の単位で売り出しても買いたい人が現れますが、中小企業の場合、その程度の株を持っても意味がありません。
持つならば議決権を持つために50%以上を保有することでメリットが生まれます。
そして50%以上の自社株を売却するとは、会社の経営権を手放すことです。
手放してしまったならば、その後子どもなどに事業を承継することもできません。

4-2.持ち株会社に売る適切な価格は?

自社株対策を銀行に相談すると、多くの銀行が提案してくるのが「持ち株会社方式」です。
オーナー経営者の長男などの子どもたちに「持ち株会社」というペーパーカンパニーを作らせて、そこで株式をすべて買い取らせる形です。
持ち株会社は自社株を買い取る程の資金を持ちあわせていませんので、銀行が資金を融資し、自社株を時価で買い取ります。
持ち株会社を設立することのメリットとして、息子に自社株の所有権が移転することで、ほかの相続人との余計な争いが避けられます。
次に、自社株を売却した創業社長の手元には自社株の売却代金となる現預金が入ります。自社株対策をしっかり行うような経営者は、不動産や金融資産なども多々保有しているのが普通で、自社株対策をしても相続税の支払いを免れないことがほとんどです。
そしてそれらの財産は換金性が低く、いざ相続が発生した際に相続税の支払いには不向きなので、現金を大量に保有できるという点からも、自社株の売却は効果があります。

では「適切な価格」はどのようにして決定すればよいのでしょうか。「相続税評価額」は売買価格として適切ではありません。この相続税評価額は「相続税を計算するためのの価格なので、売買価格としては不適格です。
法人税、所得税の通達で定められた計算式で求めます。
この計算式は、「相続税評価額に3点の修正を加えて算出する」というものです。3点とは「類似業種比準価額」「純資産価額」「評価額」です。

言葉で表すのは簡単ですが、この「3点の修正」が絡むと非常に複雑になります。
果たしてどうなるか? ものすごく簡単に説明をすると「それぞれの基準に則って計算すると、実際の評価額との間に大きな差が生まれてしまう」さらにいえば「何もしない時よりも巨額の相続税を課されることもある」ということです。

法人税・所得税評価額と相続税評価額

自社株に対して何もせず、10億円のままであれば最高税率55億円が適用されるとしても、相続税額は5.5億円です。
持ち株会社方式にしたところ、評価額は65億円となり、売買はこの金額でということになります。 株価評価を引き下げる方法
加えて、売買に伴い譲渡所得税20%(住民税を含む)の12億3500万円(自社株の取得は譲渡収入の5%と仮定する)が発生し、52億6500万円の現金が残り、この金額が相続税の課税対象となると、最高税率55%が適用されて、相続税は28億9575円、何もしない場合に比べて5倍以上になってしまいました。

誤解のないよう触れておきますと、持ち株会社方式がダメだと言いたいわけではありません。
持ち株会社にすると、何もしないよりも高い税金を払うようになるケースもある、ということを認識していただきたいということです。
しっかり計画的に、その場しのぎではない手を打つ必要があります。

・投資、支給で純資産価額を下げる
なぜこのように大きく差が開いてしまったのか? もっとも大きな理由は、純資産価額の多さにありました。
対策としては、純資産価額を下げることが挙げられます。具体的には以下の内容が効果的です。

①土地に投資する
それにより時価よりも安い評価額にし、貸家建付地の評価を利用して純資産を少なくします。
※課税時期前3年以内に取得した土地及び家屋は通常の取引価額によって評価します。

②建物等に投資する
建物やゴルフ会員権など、時価よりも評価額が低くなる資産に投資し、さらに貸家にすることでより評価減することができます。

③役員退職金の支給
役員に退職金を支給し、まとまった金額を一気に支払うことで純資産を少なくします。純資産価額10億円の会社が1億円役員退職金を支給すれば、純資産価額は9億円となります。
役員に退職しても関連会社に出向させるなどの方法はいろいろあるため、退職金の支給タイミングはある程度コントロールすることも可能です。

4-3.適切な事業承継が、自社株の評価減につながる

企業オーナーの相続税対策は往々にしてスムーズにいきません。その大きな理由は、単なる相続税対策に限らず「事業承継」の面があることです。
事業承継は、一代で財を成した創業社長の非常に大きな課題です。すべてその社長がやってきたからこそ今の形になっているわけで、そう簡単に後継者に引き継げるものではありません。
また、創業社長にしても、自分が引退したあとのことを考えるのはいい気持ちがしないもの。ついつい決定を後回しにし、また思い切って引くことができない結果、効果的な事業承継ができないことが本当に多いのです。

4-4.「残り時間」と「効果的な相続対策」は反比例する

相続税対策、ひいては事業承継は、できるだけ早めに行うことが効果的です。相続が間近に迫りあわてて行う対策と、何年もかけてじっくり行ってきた準備では、できることがまったく異なります。
毎年時間をかけて行っていくこと、景気の波を見ながら、不景気のタイミングに行いたいことなどなど、行えるべきことは多岐にわたります。
また、財産を引き継ぐ家族との話し合いも、早い段階からしっかり行えるのが理想的です。

自社株評価引下げの方法

非上場会社の株価は、原則として、純資産価額方式と類似業種比準方式の組み合せによって決まりますが、その会社の収益の状況、財産の状況が良好であればあるほど高株価になりますので、株式を次の世代に売買、贈与又は相続で移転して事業承継を行う場合、同族関係者に、多額の譲渡税、贈与税、相続税の負担が発生します。このような厳しい状況におかれている株式の承継を円滑に行うためには、株価引下げ対策を行い、引下げた株価で、移転を行うことが大切です。
株価引下げは、非上場会社株式評価の計算方式を活用し、有利な評価方式が適用されるための諸条件の整備や、計算上の諸要素の引下げにより実現します。
具体的には、

があります。

従業員数は、直前期末以前1年間においてその期間継続して評価会社に勤務していた継続勤務従業員(就業規則等で定められた1週間当たりの労働時間が30時間以上)の数に、直前期末以前1年間において評価会社に勤務していた継続勤務従業員を除く従業員のその1年間における労働時間の合計時間数を、従業員1人当たりの年間平均労働時間数(1,800時間とされます。)で除して求めた数を加算した数をいいます。
なお、上記の従業員には、社長、理事長並びに使用人兼務役員とされない役員(副社長、代表取締役、専務取締役、専務理事、常務取締役、常務理事、清算人その他これらの者に準ずる役員、監査役及び監事)は含まれません。執行役員は、商法上の取締役ではなく、従業員として扱われます。
従業員数を大きくする方法としては、年商を大きくする方法と同じです。

会社の規模を判定する場合の資産の規模は、帳簿価額によって計算した総資産価額によります。
総資産価額の計算方式は、以下のようになっています。
帳簿価額によって計算した総資産価額とは、課税時期の直前に終了した決算期のその会社の帳簿価額による総資産価額をいいます。この場合、その会社が固定資産の減価償却額の計算を間接法によって行っているときは、減価償却累計額を控除したものになります。また売掛金等に対する貸倒引当金は、総資産価額の計算上は控除しません。
この総資産価額を大きくする方法としては、年商を大きくする方法と同じ方法のほか、借入をして資産を購入するなどがあります。借入金により資産を購入する場合、本来の事業に関する投資の場合と、例えば収益不動産の購入などの場合があります。
特に、賃貸マンションなどの収益不動産を購入する場合は、その収益不動産の立地、企画、建築のグレード、賃料水準などを良く検討し、高収益かつ安定収益の物件を購入しなければなりません。また、国内で借入の余裕がない場合、債務付きの海外不動産を購入する方法が考えられます。
なお、借入金をそのまま預金にしておくというような形での総資産価額の増加は認められませんので、注意が必要です。

類似業種比準価額の評価の三要素である1株当りの配当金額、1株当りの年利益金額、1株当りの帳簿価額による純資産価額を抑えることができれば、類似業種比準方式によって算定される株価を引下げすることが可能となります。
また、比準対象業種を変更し、株価が低く算定される業種に転換する方法も考えられます。
三要素の引下げと比準対象業種の転換の方法は以下のとおりです。

一株当りの配当金額を下げるには、次の2つの方法があります。

1株当りの利益金額を下げるためには、法人税法上の規則を十分理解し、税法上認められている方法のうち、最も有利な方法を選んで損金を計上し、利益を下げることが有効です。
例えば、

などがあります。

会社がかける養老保険の場合、死亡退職金の受取人を被保険者の遺族とし、生存保険金の受取人を会社とした場合は、支払保険料のうち2分の1は資産計上、残額は給与又は損金となるため、支払保険料の2分の1相当について利益を減少させる効果があります。(法人税法基本通達9-3-4)
また、会社がかける定期保険の場合、死亡保険金の受取人が会社の場合は、対象者が役員だけであっても損金となります。
また、使用人も含めて死亡保険金の受取人を被保険者の家族とした場合には、保険料のすべてを損金に計上することができます。(法人税法基本通達9-3-5) 株価評価を引き下げる方法
したがって、役員の生命保険料の全部又は一部が損金になることによって利益が減少し、類似業種比準価額が下がることになります。

類似業種比準方式は、それぞれの評価会社がどの業種にあてはまる(又は最も類似している)かということをまず判定し、比準対象となる3要素を比較していきますが、業種によってその3要素は大幅に変動しますので、売上割合を転換することによって、より株価が低く算定される業種に転換して、株価引下げを達成することができます。
この売上割合の転換のためには、主に下記の方法が考えられます。

法人が所有する遊休地を売却し、その売却資金で新たに賃貸用不動産を購入します。
低収益の不動産が高収益不動産にかわるために、収益性が格段と向上するとともに、購入後3年以上経過すれば、土地、建物は相続税評価額で計上され、簿価との乖離が生じ、株式の純資産価額方式による評価額が下がることになります。
また、売却時に譲渡益に対する法人税等が課税されますが、特定資産の買換制度を適用することにより、譲渡益を最大80%圧縮して、課税の繰延べを受けることができますので、売却資金のほとんどを新規不動産に投入できます。

純資産価額の高い会社がオペレーティングリース対象物件を購入することにより、多額の減価償却費の計上が可能となり、結果として資産の評価額を下げ、純資産価額を引き下げすることが可能となります。
このオペレーティングリースの効果は一時的なものですから、株価が下がった時点で、贈与又は売買により後継者に株式を移転することが必要です。
現在商品として販売されている多くのオペレーティングリースは多数の投資家を集め、匿名組合を作り、さらに、投資額の数倍の借入をして、耐用年数の比較的短い減価償却資産に投資を行い、投資直後の損金額を大きくしています。

海外投資不動産の多くの物件では、当該不動産に借入が既にノンリコースローンとしてセットされているケースが多く、ネット金額(例えば不動産価額 10億円、セットされている借入金8億円の場合、日本での資金調達は2億円)で購入できます。
このため、少ない借入で実質的に大きな規模の不動産を購入できるため、評価引下げの効果が大きく期待できます。取得3年経過後の相続税上の評価額も、海外不動産の場合はその時点での時価とされますが、総投資額に占める建物部分が大きいため、建物の減価による評価減の効果が期待できます。また、多額の減価償却費の計上による純資産価額の引き下げ効果もあります。

従来の転換社債(CB)、新株引受権付社債(WB)、ストックオプションの3制度は、平成14年4月の商法改正で新株予約権(旧商法280条ノ19、現会社法2条21号)、新株予約権付社債(旧商法341条ノ2、会社法2条22号)の新制度に整理統合されました。
なお、従前のストックオプションの制度は、新株予約権の有利発行(旧商法280条ノ21、会社法238条以下)として扱われるようになりました。(ストックオプションについては後述)
新株予約権は、新株予約権のみの単独発行と、新株予約権付社債発行の2種類に分かれます。新株予約権のみの単独発行の場合、原則として取締役会(取締役会非設置会社では株主総会)が、募集予約権の数及び内容、払込金額、割当日などを決めて発行します(会社法238条1項)。
新株予約権付社債発行は、新株予約権の発行要件に加え、社債の発行価額、社債の利率等を決める必要があります。同社債は、株式に変わるまでは社債であるため、金利が付くことが新株予約権の単独発行と異なる点です。

優先株とは、一般に、剰余金の配当または残余財産の分配に関し、普通株を基準として、それより優先的な地位が認められる株式をいいます(会社法108条1項1号、同2号)。
配当優先株は、一般に参加的優先株・非参加的優先株、累積的優先株・非累積的優先株に分類されます。参加的優先株とは、利益の多かった会計年度には一定額の優先配当額に上乗せして、普通株主とともに多くの利益を受けることができるとするものです。一方、非参加的優先株は、普通株にどれだけ配当がなされようと、定められた優先配当しか受けられないものです。次に累積的優先株とは、ある年度の利益配当が所定の優先配当額又は配当割合に達しなかった場合に、その年度の優先配当権が次年度以降も、普通株に優先して不足額の配当を受けとることのできるものをいい、非累積的優先株は次期以降に繰り越さないものをいいます。
劣後株とは、利益もしくは利息の配当または残余財産の分配に関し、普通株より劣後的な地位にある株式をいいます。
また、平成14年の商法改正以降、株式会社は、全く議決権のない株式(旧商法211条ノ2第4項、会社法108条1項3号)や、決議事項の一部についてのみ議決権のある株式を発行できることになりました。
また、優先株ではない普通株式にも議決権制限株式が認められました。

従業員持株会への第三者割当増資による新株発行価額は、配当還元価額以上であれば、課税上の問題は生じません。つまり、従業員又は従業員持株会が新株を引受ける場合は、同族株主に該当しないため、配当還元価額以上であれば、贈与税等の問題は発生しないこととなっています(財産評価基本通達178、188、188-2)。
同族会社の一株当りの原則的評価額が高額になる場合でも、配当還元価額は、以下の例で明らかなようにとても低くなるケースが多く、少ない資金で発行済株式総数を増やすことができます。
(例)配当還元価額の計算方法

Aの金額は、銭未満切捨て。
ただし、Aの金額が2円50銭未満の場合は、2円50銭とする。
◦ 計算例1

額面50円、直前2年間の配当金平均額5円(1割配当)の場合

配当還元価額は50円(額面相当額)となります。

額面500円、直前2年間の配当金平均額150円(3割配当)の場合

配当還元価額は1500円(額面の3倍)となります。

平成14年の商法改正以降、ストックオプション制度は新株予約権の有利発行(旧商法280条ノ21、会社法238条以下)として扱われるようになりました。
新株予約権をストックオプションとして利用するときには、取締役や従業員に無償でそれを発行することが通常の発行方法になると思いますので、これは、通常は株主以外の者に有利な条件で新株予約権を発行することになります。したがって、この場合には、一定の事項を株主総会の特別決議によって決めなければならないとされています(会社法309条2項6号、238条2項、同条3項1号、240条1項)。
この場合、株主総会の召集通知には議案の要領を記載しなければならず、株主総会においては、取締役は、株主以外の者に対して特に有利な条件をもって新株予約権を発行することが必要となる理由を説明しなければなりません(会社法238条3項1号)。
さらに、会社法においては、上記の発行手続の後、新株予約権の割当手続においては、新株予約権の割当を受ける者及び割り当てる新株予約権の数を、取締役会(ただし、取締役会非設置会社において、新株予約権の目的株式又は新株予約権自体に譲渡制限の定めがある場合は、株主総会)において決議すればよいこととなりました(会社法243条1項、2項)。これにより、付与対象者を会社の取締役や従業員だけでなく、会社の取引先や提携先などにも拡大できますし、投資家に付与することも可能となります。
以上のとおり、平成14年の商法以降、ストックオプションを弾力的に運用することができるようになりましたので、予約権発行時に決めた予約権行使価額により特定の人に新株を発行することができ、成長企業においては新株発行時の株式の時価よりも低い価額で特定の人が新株を取得できることとなります。

自社株の株価を引き下げる相続税対策~4つの例で解説

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自社株の株価を引き下げる相続税対策~4つの例で解説

1.株価引き下げ策:配当を検討する

2.株価引き下げ策:利益・純資産を検討する

短期的な視点

中長期的な視点

図表 自社株承継のコスト戦略 まとめ

配当 ・普通配当の削減、特別配当の導入
利益純資産 短期 ・役員退職金の活用
・遊休資産の処分
・設備投資による特別償却の活用
・本社等の新築
中長期 ・高収益部門の別会社化(組織再編)
会社規模 ・合併等による規模のランクアップ
少数株主活用 ・中小企業投資育成、従業員持株会などによる第三者割当増資、売却

3.株価引き下げ策:会社規模の変更

4.株価引き下げ策:増資の検討

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【自社株対策】後継者も、家族も、会社も幸せになる対策の方法

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オーナー経営者の株価対策

会社経営者の相続税対策は、相続財産の中でも自社株(非上場株式)の占める割合が大きいケースが多いため、 自社株(非上場株式)の評価をいかに下げるかが大きなテーマとなります 。
自社株(株価)対策は相続税に関する知識だけでなく、法人税・会社法等の会社経営に関わる幅広い法令等についての深い知識が求められるという特徴があります。そのため、通常の相続税申告で求められる相続税の一般的な知識に加えて、法人の決算に関する法人税の知識や株主の議決権、自社株(金庫株)、会社分割といった会社法にまつわる幅広い知識も必要となる難しいテーマです。
相続税申告をメインに扱っている税理士は、金融資産の多い富裕層や不動産オーナーをクライアントにしているケースが多いため、相続税に詳しい税理士でも、事業会社の法人顧問を扱っていないと、法人税や会社法のノウハウを蓄積する機会が少なく、自社株(非上場株式)の評価が中心となる相続税対策を苦手とするケースも多いです。
一方、経営者には通常、会社の顧問税理士がついているので相続税申告についても法人の顧問税理士がそのまま担当するケースが多いですが、会社の顧問税理士も相続税に対する知識・経験が乏しければ、有効な相続税対策を提案することが出来なかったり、相続税申告を間違えてしまうリスクも高くなります。
このように、経営者の株価対策は広範囲な知識・ノウハウが必要となる領域であり、精通している専門家が限られるのが実情です。
さらに、自社株対策は税法以外にも株主の権利、自社株式、種類株式及び組織再編(合併、株式交換など)等の会社法の高度な知識が求められます。会社法については公認会計士の専門分野でもあるため、自社株対策は公認会計士・税理士が比較的多く活躍している領域です。

2.事業承継対策の難しさ

中小企業オーナーにとって事業承継対策は会社の命運を左右する重要なテーマです。会社経営者の相続税申告において、相続財産の大きな割合を占めるのが非上場株式(自社株式)です。
この自社株式の評価は、相続税対策の中でも最も奥が深いテーマの一つです。業績の良い会社ほど株価は高くなり相続税の負担が大きくなりますが、自社株は換金性に乏しいため資金化することが出来ず、相続税の納税資金不足という問題に繋がっていきます。
また、事業承継の問題も同時に絡んでくるので、相続税対策だけではなく後継者対策等の会社経営とのバランスも考えて対応していかなくてはなりません。

  • 1.非上場株式の評価額(株価)が高くなり、相続税が多額になってしまう
  • ⇒株価引下げ対策
  • 2.株価が高くても換金性がないため、相続税の納税資金が不足する
  • ⇒納税資金対策
  • 3.相続財産の大半を占める自社株・会社財産を会社の後継者に贈与・相続させると他の相続人の取り分が少なくなり、遺産分割で揉めてしまう
  • ⇒遺産分割対策
  • 4.経営者が会社の運転資金不足を埋めるために貸付をしており、貸付金の金額が多額になっている
  • ⇒債権放棄・債務免除の対策

非上場株式(自社株)の評価の詳細についてはこちらを御覧ください

非上場株式(自社株)の評価について

3.株価引下げ対策

非上場株式等の相続税評価額は 「株数×単価」 で計算されることから、相続税上の株価を引き下げるには、(1) 所有株式数の減少 株価評価を引き下げる方法 と(2) 一株当たり株価額の引下げ が必要となります。具体的には下記の方法があります。

(1)所有株式の減少

①生前贈与の活用
生前贈与を行うには、贈与する相手、贈与する株式数、贈与する時期を明確に決めてシミュレーションした上で、長期的な視点で取組む必要があります。また株価を引き下げた上で生前贈与に取組まなければ効果的な相続税対策にはなりません。

(2)一株当たり株価額の引下げ

類似業種比準価額の計算式

  • (1) 上記算式中の「A」、「 B 」、「 C 」、「 D 」、「B」、「C」及び「D」は、それぞれ次による。
  • 「A」=類似業種の株価
  • 「 B 」=評価会社の1株当たりの配当金額
  • 「 C 」=評価会社の1株当たりの利益金額
  • 「 D 」=評価会社の1株当たりの純資産価額(税務上の帳簿価額によって計算した金額)
  • 「B」=課税時期の属する年の類似業種の1株当たりの配当金額
  • 「C」=課税時期の属する年の類似業種の1株当たりの年利益金額
  • 「D」=課税時期の属する年の類似業種の1株当たりの純資産価額
  • ・会社の業種
  • ・一株あたりの配当金額
  • 株価評価を引き下げる方法
  • ・一株あたりの利益金額
  • ・一株あたりの簿価純資産価額

ア)配当率の引き下げ
特別配当や記念配当等は、類似業種比準価額計算上の配当金額から除かれます。したがって、通常配当をこれら特別配当に変更させることで、通常配当の配当率を引き下げることができます。

イ)利益の引き下げ
短期的な対策としては、不良在庫処分、不良債権償却、固定資産の売却損の計上、従業員への決算賞与支給、役員退職金の支給等があり、中長期的な対策としては、オペレーティング・リース(レバレッジド・リースを含む)の導入、生命保険を活用した節税方法があります。

ウ)簿価純資産を引き下げる
簿価純資産を引き下げるために有効な方法は、含み損の出ている資産の売却や役員退職金の支給、生命保険やオペレーティングリース等を活用して利益を引き下げる方法が挙げられます。また、預金を不動産等や生命保険等の相続税評価が低くなる資産に組み替えることにより、相続税評価に基づく純資産価額を引き下げることができます。

②特定の評価会社はずし
土地保有特定会社、株式保有特定会社など「特定の評価会社」は、類似業種比準価額を採用できず、純資産価額で評価されます。したがって、このような会社については、株式や土地の保有割合を引き下げることにより、特定の評価会社に該当しなくすることが必要です。
特定の評価会社はずしの方法としては、①他の資産を購入する②会社分割や事業譲渡等により資産を別会社へ移す等の方法があります。

③分社化により好業績部門を移転する
会社分割等により子会社を設立して好業績部門を移したり、後継者が設立した別会社へ事業譲渡します。

④会社規模の変更
株価は会社規模に応じて類似業種比準方式と純資産価額方式、そしてこの2つの併用方式により評価されることになります。会社規模が大会社に近づくほどに類似業種比準方式の割合が大きくなります。よって、純資産価額が類似業種比準価額を大きく上回っている場合には、会社規模を大きくして、類似業種比準方式のウェイトを大きくすることが株価対策にあります。

4.納税資金対策

(1)事業承継税制(納税猶予制度)の活用

【平成30年改正内容のポイント】

  • 納税猶予の対象となる株式数が議決権株式総数の 3分の2から全株式に変更
  • 相続税の納税猶予が税額の 80%から100% に拡大
  • 納税猶予を受けることができる後継者が 1名から3名 に拡大
  • 先代経営者以外 の人から株式の承継受けた場合も納税猶予の対象に追加
  • 雇用維持要件 (5年間平均で8割以上)を下回った場合でも納税猶予が可能
  • 将来、M&Aや廃業をした場合でも、 株価を再計算 し納税額が軽減
  • 直系(祖父母、父母)以外の者からの贈与も 相続税精算課税制度 が適用可能

(2)相続税・贈与税の納税猶予制度の詳細についてはこちらを御覧ください

非上場株式に係る相続税・贈与税の納税猶予制度について

5.遺産分割対策

(1)経営承継円滑化法による事業承継の遺留分の民法特例

①遺留分の問題
遺留分とは民法で定められている一定の相続人が最低限相続できる財産のことをいいます。遺留分が侵害された場合、財産を相続した人に、「遺留分減殺請求」をすることができます。

②民法の特例 ~除外合意と固定合意~
相続人を保護するための制度である遺留分の存在が、事業承継の妨げとなっては元も子もありません。そこで、「中小企業経営承継円滑化法」では、円滑な事業承継を確保する趣旨の下、2つの特例を設けています。1つは自社株式を遺留分の対象から外す「除外合意」、もう1つは相続時の自社株式の評価額を贈与時点のものに固定する「固定合意」です。特例によって遺留分算定の基礎となる財産が少なくなれば、後継者が自社株式を相続しても、それ以外の相続人に相応の財産を支払う「代償分割」の負担が軽減されます。

(2)種類株式の活用

後継者以外の相続人が遺留分を主張し、自社株が分散してしまっては、会社経営の安定性が損なわれてしまい、事業承継がスムーズにいかないリスクがあります。 事業承継対策においては、後継者の支配権確保が最重要課題です 。
そのよう場合に種類株式の活用が考えられます。
例えば、議決権の制限(無議決権株式)と優先的に配当を受ける権利(配当優勢株式)を組み合わせた株式を後継者以外の相続人に引き受けさせ、経済的利益を与えることで、会社経営の安定性を保つことができます。

(3)中小企業投資育成会社の活用

6.貸付金(社長借入金)の債権放棄・債務免除の対策

  • ・振り出した手形が不渡りとなったこと
  • ・民事再生法の決定があったこと
  • ・破産の宣告があったこと
  • ・重大な損失を受けて事業廃止または6ヵ月以上休業

(1)債権放棄(書面による債務免除)

生前に実施する対策としては、生前に債権放棄を行う(書面による債務免除)方法が考えられます。
会社に対する貸付金を生前に放棄します。会社側から見ると債務を免除されたことになるため、債務免除益が発生し、その金額が法人税の課税対象となりますが、業績が悪化している会社は通常青色欠損金があるため、この繰越欠損金と相殺できれば税金がかからないことになります。
ただし、繰越欠損金は9年前(平成30年4月1日以降開始事業年度分は10年)までの欠損金しか相殺できないため、それ以前に大きな赤字があれば、債務免除の金額が相殺しきれず税金がかかってしまうリスクがあります。また、赤字会社は税務申告をきっちり行っていないケースがあるため、そのような場合は青色欠損金がなく、債務免除益と相殺できないことがあります。

(2)デット・エクイティ・スワップ(DES)

デット・エクイティ・スワップとは債務の株式化のことをいい、債権者が債務者に対する債権(貸付金)を現物出資して債務者の債務(借入金)を消滅させ、債務者の資本を増加させる増資の方法です。DESにより債権者が債務者に対して有していた債権が当該債務者に現物出資された場含、債務者が債権者に対して負っていた債務は、現物出資を受けた債権との混同により消滅することになります。
相続対策で最近比較的く利用されるのが、会社に対する債権 (会社からすれば社長からの借入金)を現物出資することにより、債権と株式を交換する方法です。これを現物出資方式と呼びます。この方式によると、社長の貸付金は株式評価に変わるため、会社の財務状態が悪ければ、相続税評価額を下げることができます。一方、債務者側の税務処理として、債権の時価評価額により資本金等の額を増加させることとなります。そのため、債務超過の会社の場合には、債権の額面額と時価との差額は債務消滅益として益金の額に計上することとなります。債務超過会社で繰越欠損金と相殺できれば法人税の追加負担は生じません。

の相続税はいくら? 株価評価を引き下げる方法
評価額の計算方法と節税・手続きを紹介

類似業種比準方式は 業種が類似する上場会社の株価を基準にする方式 で、純資産価額方式は会社を清算すると仮定し、 株主1人あたりの分配額で評価 します。 併用方式は上記2つのミックス であり、発行会社の規模により類似業種比準方式と純資産価額方式を90:10、75:25、60:40、50:50のいずれかの割合で併用します。純資産価額方式の場合は利益と負債の総合評価になりますが、歴史の長い会社は利益累計がプラス評価されるため、株価も高額評価されることが多いようです。類似業種比準方式は、純資産価額方式に比べて低めに評価されることがほとんどです。

配当還元方式

過去2年間とは相続開始前の2期の決算期 を指し、 1株あたりの資本金額は資本金と資本剰余金の合計額 になります。それぞれ法人税の申告書に記載される内容ですが、ディスクロージャーのように開示される情報ではないため、発行会社に問い合わせて教えてもらうことになります。

株の相続税を節税する方法

現金や預貯金と同じく株式も課税財産になるため、有効な相続税対策を考えておきたいところです。保有株式を減らす、または評価額を下げることで相続税を安くできますが、同時に納税資金対策も練っておくべきでしょう。実行のタイミングなどによって節税効果も変わるため、 税理士などの専門家と相談しながら最善策を検討 してください。

生前贈与を活用する

前半で解説しましたが、上場株式は過去に遡って評価できるため、 タイミングによってはわずかな贈与税で高額な株式を贈与できます 。 何らかの理由で株価が下がり、その後の反発するタイミングで贈与すると、3,000万円の株式を1,000万円で評価できる可能性もあります。 不動産と異なり、株式は細分化して贈与できるため、複数の相続人がいる場合でも不公平感なく贈与できるでしょう。

相続時精算課税制度を活用した株式の贈与

まとまった株式の贈与には相続時精算課税制度が有利になる場合もあります。 相続時精算課税制度を利用すると最大2,500万円まで非課税贈与 できますが、相続が発生した場合には贈与済みの財産を相続財産としてカウントします。相続税の課税対象になるためメリットはなさそうですが、 相続税評価額は贈与時の価値で計算される ため、株価が上がった場合に有利です。 一時的に株価が下がっている場合や、将来の値上がりが期待される場合には大きな節税効果 となります。

また、 2,500万円を超えた部分は一律20%の税率 なので、贈与額が大きいほど節税効果も高くなります。60歳以上の父母や祖父母から、20歳以上の子や孫へ贈与する場合に利用できますが、税務署にはあらかじめ届出をしておく必要があります。

自社株の評価額を下げる

会社オーナーの場合、自社株(非上場株式)の評価を下げる節税対策も可能です。 配当や利益、簿価純資産を引き下げると株価も下がる ため、相続財産としての評価額も低くなります。類似業種比準方式の計算では、特別配当や記念配当を除外するため、通常配当の比率が少なくなるよう、特別配当などに切り替えておくとよいでしょう。

発行会社に非上場株式を譲渡した場合の課税の特例

相続税を支払うために株式を売却する例もありますが、非上場株式は買い手が見つかりにくく、上場株に比べて不利な面があります。このようなケースでは発行会社に買い取ってもらうこともできますが、譲渡益が出た場合は譲渡所得税に加え、みなし配当課税も発生するので注意してください。 みなし配当は他の所得と合算され、最高45.945%の高い税率 になりますが、 「発行会社に非上場株式を譲渡した場合の課税の特例」を使うと税率は20.42%に下がります 。特例を使う場合は、発行会社へ「みなし配当課税の特例に関する届出書」を提出し、相続開始から 3年10ヶ月以内に譲渡しておく必要 があります。税務署への申告も必要なので忘れないようにしてください。

非上場株式の納税猶予および免除の特例

中小企業の場合、自社の非上場株式に高額な相続税がかけられると会社の存続に影響します。しかし事業の 承継者が役員に就任していれば「非上場株式の納税猶予および免除の特例」を利用でき 、スムーズに事業承継できるかもしれません。

特例の利用には様々な条件がありますが、一定条件を満たしながら経営すると半永久的な納税猶予も実現できます。ただし、条件を満たさなくなった場合は相続税の現金一括納付が必要となり、猶予期間の利子税も発生するので注意が必要です。 事業承継に詳しい税理士など、専門家のアドバイスを受けながら検討 するとよいでしょう。

相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

相続した株を売って利益が出た場合、利益に対して 譲渡所得税 が課税されます。すでに相続税を納めている場合、さらに税金が発生することになりますが、利益を圧縮できれば譲渡所得税も安くなります。

譲渡所得は「譲渡収入-(取得費+譲渡費用)」で計算しますが、相続開始から一定期間内に株式を売却すると すでに払った相続税の一部を取得費に加算できます 。一定期間とは、相続税の申告・納税期限(相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内)から 3年以内 のことを指します。

株を相続したときに行う手続き・必要書類

相続した株式は名義の変更が必要です。後で売却する予定でも、まず相続人名義に変えておかなければなりません。 上場株式の場合は証券会社や信託銀行で手続きしますが、 事前に相続人名義の口座を開設しておくとスムーズに手続きが行えます 。

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