取引戦略

テクニカル指標って何

テクニカル指標って何
イラスト :shai_halud / PIXTA(ピクスタ)

テクニカル指標って何

「FXのテクニカル分析ってなに?」

「テクニカル分析をする意味は?」

「初心者でもできる簡単なテクニカル分析が知りたい」

FXのテクニカル分析は、チャート画面に表示される テクニカル指標やチャートパターンを基に相場を予測する分析手法 です。

「テクニカル」という言葉から難しそうなイメージがありますが、視覚的に分析でき簡単な手法であればスグに試せる分析手法ですよ!

この記事では、私が初めて実践した移動平均線を使ったテクニカル分析のやり方を、通貨ペアや時間足選びから最後の利益確定の決済までの流れを丁寧に解説しています。

また、テクニカル分析してるけど結果が出ない人向けに、意味のあるテクニカル分析をするための6つのコツを紹介しています。

・FXのテクニカル分析とは?
・意味のあるテクニカル分析をするための6つのコツ
・初心者でもスグできる移動平均線を使ったテクニカル分析の使用手順
・視覚的にわかりやすい初心者向けテクニカル指標4選
・おすすめのテクニカル指標の組み合わせ
・FX初心者におすすめテクニカル分析の勉強手順

テクニカル分析とは?

テクニカル分析とは

テクニカル分析とは、 テクニカル指標(インジケーター)やチャートの形状(チャートパターン)から未来の相場を予測する分析手法 です。

大前提として為替の動きは、世界の投資家の集団心理を具現化した結果です。

簡単に言ってしまえば、FXは通貨売買の多い方向を見極める投資で、見極める方法の一つがテクニカル分析です。

トレンド系

トレンド系のテクニカル指標は 相場の方向感を判断できる指標 です。

トレンド系は、純粋に過去チャートの傾向から相場の流れを示しているので、トレンド相場の有無を見極めるのに有効です。

FXにはトレンド相場という、継続して価格が上昇及び下降し続ける相場があります。

次の図解のようにうまくトレンド相場に乗る手法を順張りと呼び、FXで最も稼ぎやすい手法の一つです。

順張りイメージ

トレンド系のテクニカル指標は、主に相場の方向感を確認するのに適しており、トレンド系の代表格である移動平均線を例にすると、右肩上がりだったら上昇、右肩下りなら下降トレンドと判断します。

【トレンド系の代表的なテクニカル指標】
・移動平均線
・ボリンジャーバンド
・パラボリック
・DMI(ディーエムアイ)

など

トレンド系の多くは過去チャートから算出する仕組み上、チャートに反映されるのが遅い欠点もあります。

オシレーター系

オシレーターとは、 相場の買われすぎ売られすぎを判断できるテクニカル指標 です

オシレーターはその瞬間の過熱度が把握できるため、相場の流れが切り替わるタイミングを確認するのに使われます。

オシレーター系はリアルタイムに反映されるため、トレンド系より瞬発力が高く短期トレードにも向いています。

【オシレーター系の代表的なテクニカル指標】
・MACD(マックディー)
・RSI(アールエスアイ)
・ストキャスティクス
・モメンタム
テクニカル指標って何
など

ファンダメンタルズ分析との違い

テクニカルとファンダメンタルズ

ファンダメンタルズ分析を一言でいうと、 世界経済や金融などの情報を基に相場を予測する分析手法 です

ファンダメンタルズは、アメリカの雇用統計などの定期的に行われる経済指標と、リーマンショックのような突発的なイベントの2種類あります。

テクニカル分析は意味ないのか?6つのコツ

テクニカル分析のコツ

①トレンド系とオシレーター系を組み合わせて使う
②長期足での分析を優先させる
③初心者はひとつのテクニカル分析から始める
④ファンダメンタルズ分析も使う
⑤逆張りは無理に狙わない テクニカル指標って何
⑥自動分析ツールも参考にする

これから解説する6つのコツは、テクニカル分析を行う上で大前提のコツなので必ず覚えましょう。

①トレンド系とオシレーター系を組み合わせて使う

テクニカル指標は トレンド系とオシレーター系を組み合わせて使いましょう。

先述しましたが、トレンド系は相場の方向感オシレーター系は売買の過熱度と分析内容が異なるため、組み合わせることでそれぞれ分析できない要素を補完できます。

②長期足での分析を優先させる

テクニカル分析の時は、なるべく 長期足の分析結果を優先させましょう。

理由は、長期足の動きの方が信頼度が高いからです。

つまり、過去の世界経済・金融イベントの結果である長期足は、短期足の瞬間的な動きよりも信頼できるデータとなります。

③初心者はひとつのテクニカル分析から始める

初心者がテクニカル分析に取り組む時は、 ひとつのテクニカル指標から始めましょう。

理由はシンプルでいきなり複数取り組むと難しくて挫折するからです。

④ファンダメンタルズ分析も使う

テクニカル分析がメインでも 必ずファンダメンタル分析もしましょう。

なぜなら、ファンダメンタルズ要因の大イベント発生時は、テクニカル分析が機能しないケースがあるからです。

⑤逆張りは無理に狙わない

逆張りイメージ

初心者は 逆張りを無理に狙うのはやめましょう。

理由は、トレンドが終わる直前にエントリーする難易度もリスクも高い手法だからです。

逆張りとは、 相場が反転すると予測してエントリーする手法 で、順張りと比較して予測が外れた場合の損失が大きく、勝てたとしても利益は少ない傾向があります。

⑥自動分析ツールも参考にする

お天気シグナルイメージ

テクニカル分析のサポート役として、 自動分析ツールを使うと勝率upの可能性が高くなります。

ひとつ目は、移動平均線などの一般的なテクニカル指標の売買シグナルを知らせてくれるツールで、もうひとつは現行チャートと過去チャートを比較して未来の値動きを予測するツールがあります

私が実際に使って検証したぱっと見テクニカルは、自動分析ツールの予測に従っただけで勝率87%を叩き出しました!

7SETEPでスグ試せる!移動平均線を使った簡単順張り手法

7STEP順張り手法

STEP1:トレード環境・指標の設定
STEP2:ゴールデンクロスを探す
STEP3:長時間足で相場の流れを確認
STEP4:オシレーター系を組み合わせる
STEP5:エントリーは2回目の反発後
STEP6:損切りのサイン
STEP7:利益確定ポイントを決める

STEP1:トレード環境・指標の設定

STEP2:ゴールデンクロスを探す

ゴールデンクロスの確認

初めに15分足のチャートに5日(短期)と30日(長期)の移動平均線を表示させ、 ゴールデンクロス及びデッドクロスを探します。

ゴールデンクロスは移動平均線で使われる手法の一つで、複数期間の移動平均線を表示させ、短い期間の移動平均線が長い期間の移動平均線をクロスして貫く状態を指します。

ちなみにゴールデンクロスは下から上にクロスする上昇への転換サインで、逆の上から下にクロスする下降への転換サインをデッドクロスと呼びます。

【ゴールデンクロス・デッドクロスの例】

ゴールデン・デッドクロス例

ゴールデンクロスは、相場が下降から上昇に転換するサインなので、今後上昇すると予測して順張りを狙ってみましょう。

STEP3:長時間足で相場の流れを確認

長時間足で相場感の

順張りでエントリーする時にとても重要なのが、 テクニカル指標って何 テクニカル指標って何 長期時間足でも同方向にトレンドが発生しているか の確認です。

先述のコツでも解説しましたが、短期足よりも長期足の動きの方が信頼度が高いからです。

STEP4:オシレーター系を組み合わせる

RSIを確認

次は オシレーター系のRSIを使ってエントリーの根拠を探しましょう。

理由はコツでも解説した通り、トレンド系とオシレーター系それぞれ別の視点で根拠を見つけるためです。

今回は上昇するという根拠が欲しいため、売られすぎのサインである30ラインにタッチして反発しているかを確認します。

STEP5:エントリーは2回目の反発後

二回目の反発後にエントリー

私のエントリーのタイミングは、 上昇後の2回目の反発を確認した後 です。

なぜなら、1回目の反発後だと早すぎてトレンドに発展しない、3回目だとトレンドが終わってしまう可能性があるからです。

STEP6:損切りラインを決める

損切りラインを決める

私が順張りでエントリーした時の損切りは、 2回目の反発ラインを超えたラインに設定しています。

STEP7:利益確定ポイントを決める

利益確定ポイント

私の利益確定ポイントは 短期移動平均線が水平に推移したタイミング です。

理由は相場が均衡しトレンドが終わると判断しているからです。

初心者におすすめなテクニカル指標4選

おすすめテクニカル指標

【トレンド系】移動平均線
【トレンド系】ボリンジャーバンド
【オシレーター系】MACD(マックディー)
【オシレーター系】RSI(アールエスアイ)

【トレンド系】移動平均線

移動平均線お設定例

移動平均線とは一定期間の為替の動きを平均化した線で、 相場の流れを読み取るのに適している指標 です。

移動平均線の期間はトレーダー自身で設定でき、例えば5分足で移動平均線「10」と設定すると直近10本のローソク足の終値を平均した数値、つまり「5分 × 10本 = 50分間」の平均値が表示されます。

見方はとてもシンプルで全ての線が 右肩上がりなら上昇トレンド右肩下がりなら下降トレンド と読み取ります。

【トレンド系】ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドは、移動平均線にσ(シグマ)と呼ばれる線を加えた指標で、「 値動きが大体この帯(バンド)中に収まる 」といった情報を教えてくれるテクニカル指標です。

ボリンジャーバンドは、移動平均線1ラインに加えて上に「+σ1〜3」の3ライン、下に「-σ1〜3」の3ラインで合計7つのラインで構成されています。

各σ(シグマ)はバンド内に収まる確率を意味しており、それぞれσ1以内に収まる確率が68.35%、σ2以内が95.4%、σ3以内が99.7%と決まっています。

ボリンジャーバンドは縦幅の大きさで売買の過熱度7つのラインの方向でトレンドの有無ローソク足との位置関係で相場の異常性と、3つ相場の状態を読み取れる優れた指標です。

例えば売買の過熱度をみる場合は、上のチャート画面のように +3σにローソク足が触れたら「下がる」-3σに触れたら「上がる」 と判断してトレードします。

【オシレーター系】MACD(マックディー)

MACDイメージ

MACD(マックディー)は、 短期の移動平均線と長期の移動平均線の差分を可視化したテクニカル指標 テクニカル指標って何 です。

簡潔にいうと通貨の「買われ過ぎ、売られ過ぎ」に加えて「相場の方向感」も見ることができる指標です。

MACDは破線のシグナルラインと山の形のような縦ラインのMACDラインの二つで構成されています。

ゴールデンクロスは、MACDラインがシグナルラインを下から上に突き上げた状態、デッドクロスは反対に上から下に突き抜ける状態を指します。

ゴールデンクロスの場合は、 上昇の勢いが強いため「買い」 でエントリー、デッドクロスは 下降の勢いが強いため「売り」 でエントリーします。

【オシレーター系】RSI(アールエスアイ)

RSI

RSI(アールエスアイ)は一言で言うと 買われ過ぎ、売られ過ぎの過熱度 を判断できるテクニカル指標です。

RSIは0%〜100%で表示され100%に近いほど買われ過ぎ0%に近いほど売られ過ぎと判断できます。

テクニカル分析での考え方は、RSIが 30%(売られ過ぎ)に達したら「買い」70%(買われ過ぎ)に達したら「売り」 でエントリーします。

理論もボリンジャーバンドと似ており、異常に買われすぎているから正常に戻るだろうという考え方です。

RSIのオススメの期間設定は「14」です。これはRSI考案者のJ.W.ワイルダーが提唱した標準値であり、多くの投資家が使っています。

初心者におすすめのテクニカル指標の組み合わせ

テクニカル分析のコツでも触れましたが、テクニカル分析の時に使うテクニカル指標はトレンド系とオシレーター系を組み合わせて使うのが効果的です。

①移動平均線(トレンド) + RSI(オシレーター)
②ボリンジャーバンド(トレンド) + MACD(オシレーター)

①は相場の流れを見る「移動平均線」売買の過熱度を見る「RSI」、②は相場の方向感、相場の異常性を見る「ボリンジャーバンド」売買の過熱度に特化した「MACD」互いに見れないものをバランスよく補っている組み合わせ です。

FX初心者のテクニカル分析おすすめ勉強法

勉強法

【STEP1】書籍やサイトで基礎を学ぶ
【STEP2】デモトレードで試す
【STEP3】少額トレードで実践を経験する

【STEP1】書籍やサイトで基礎を学ぶ

テクニカル分析の基礎を学ぶなら 書籍やFX会社公式の解説サイトがおすすめ です。

なぜなら、書籍なら著名なFX有識者、FX会社公式サイトならFX運営者と情報の発信元が信頼できるからです

『岡安盛男のFX攻略バイブル』
著名アナリストの岡安氏が解説するFX入門書。基礎だけでなくトレードスタイル毎のコツまで解説して上級者まで愛用できる内容。

『めざせ億り人!マンガでわかる最強のFX入門』
マンガ形式でFXの基礎を学べる未経験・初心者向けの一冊。文字だけだと飽きちゃう人におすすめ。

株の売買には「テクニカル分析」と「ファンダメンタルズ分析」が。
その銘柄と企業のストーリーを思い描いて、株を買ってみよう!

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イラスト :shai_halud / PIXTA(ピクスタ)

株を買う前に、その銘柄と企業のストーリーを思い描く

【株を買う前に見極めるポイント】
・その会社はどういうビジネスモデルですか?
・そのビジネスモデルはこれからの時代に合っていますか?

「損をしてもいいと思える会社を買ってください」

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ダイバージェンスを活用した取引方法

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店頭外国為替証拠金取引は、取引金額(約定代金)に対して少額の取引必要証拠金をもとに取引を行うため、取引必要証拠金に比べ多額の利益を得ることもありますが、その一方で短期間のうちに多額の損失を被る可能性があります。外貨での出金はできません。経済指標の結果によっては価格が急激に変動し、思わぬ損失が生ずるおそれがあります。また、その損失の額が預託した証拠金の額を上回ることもあります。取引価格、スワップポイント等は提供するサービスによって異なり、市場・金利情勢の変化等により変動しますので、将来にわたり保証されるものではありません。取引価格は、買値と売値に差があります。決済方法は反対売買による差金決済となります。店頭外国為替証拠金取引にあたっては必要な証拠金の額は提供するサービス及び取引通貨ペアごとに異なり、取引価格に応じた取引額に対して一定の証拠金率(「SBI FXTRADE」個人のお客様:4%(レバレッジ25倍)、ただし、ロシアルーブル/円およびブラジルレアル/円は10%(レバレッジ10倍)、法人のお客様:一般社団法人金融先物取引業協会が毎週発表する通貨ペアごとの為替リスク想定比率*(通貨ペアごとにそれぞれレバレッジが異なります)、「積立FX」個人および法人のお客様:100%(レバレッジ1倍)、50%(レバレッジ2倍)、33.334%(レバレッジ3倍))の証拠金が必要となります。
*為替リスク想定比率は、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第31項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。
【オプションFX(店頭通貨オプション取引)】
店頭通貨オプション取引は店頭外国為替証拠金取引の通貨を原資産とし、原資産の値動きやその変動率に対する予測を誤った場合等に損失が発生します。また、オプションの価値は時間の経過により減少します。当社が提示するオプションの取引価格は、買値と売値に差があります。当社の提供する店頭通貨オプション取引の決済方法は反対売買による清算となり、また、NDO(ノンデリバラブル・オプション)であるため権利行使日に権利行使価格と実勢価格による反対売買を行います。
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テクニカル分析とファンダメンタル分析、株式市場ではどちらが重要か

テクニカル分析とファンダメンタル分析、株式市場ではどちらが重要か

テクニカル分析とは、過去に発生した株価や出来高等の取引実績から将来の価格を予想・分析する手法です。
ファンダメンタル分析の様に企業の業績や世界情勢はもちろん、日本や海外における政治や金融政策の変化などは一切考慮に入れず、株価や出来高で計算された数値で淡々と投資判断を行って行くのがテクニカル分析の大まかな特徴です。
価格の勢いや、売られ過ぎ・買われ過ぎという判断では、テクニカル分析はとても役に立ちます。

個人投資家はテクニカル分析が好き

  • ①取引価格の上昇トレンドと下落トレンドへの転換を見出す方法
  • ②取引価格に対する売られ過ぎや買われ過ぎを見出す方法

株は『美人投票』、テクニカル分析で充分

株価は業績が良いからと言って必ず上がるとは限りません。
株価は業績が良い銘柄が上がるのではなく、買う人が多いと上昇します。
難しいことは考えずに美人と思う投資家が多くいる株に投資することも、株式投資においては有効な手法といえるでしょう。

短期~中期投資はテクニカル分析が向いている

株式の価値という考え方ではファンダメンタル分析

ファンダメンタルが個人投資家に不人気なのは難しいから

ファンダメンタル分析で利益は重要な分析ポイントです。
しかし、最終利益がどのくらいか発表されていても、発表された利益は貸倒引当金などでお化粧をされていることも多く、きちんとしたファンダメンタル分析はプロもかなり経験が必要となります。
何よりも株価は人気投票ですので、どんなに業績が良くても買い注文が集まらなければ株価は上がりません。

中期~長期投資はファンダメンタルズ分析が向いている

テクニカル分析、ファンダメンタル分析両方勉強しよう

  • ○テクニカル分析は比較的簡単、結果も出やすい
  • ○テクニカル分析は短期~中期投資にお勧め
  • ○ファンダメンタル分析は専門知識が多く理解するまで期間と勉強が必要
  • ○ファンダメンタル分析は中期~長期投資にお勧め
  • ○どちらも重要なので苦手意識を持たずに勉強しよう
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初心者でも株式取引で失敗しないテクニカル分析とは? 国際テクニカルアナリストが教える売買タイミングの見極め方

福永博之さん

福永博之さん:株式会社インベストラスト代表取締役

いい会社の株式も、持ち続けていたら損をするかも

――投資の経験がない方にとって、株式取引は難しそうなイメージがあります。特にテクニカル分析はなおさらですが、業績のいい会社の株式を買うだけではダメなのでしょうか。

福永:株式取引の分析手法には大きく2種類あります。その一つが会社の業績を見るファンダメンタルズ分析です。業績や資産から、いい会社かどうかを判断する手法ですね。ファンダメンタルズ分析をやっている方の中には「いい会社の株式は中長期で持てば大丈夫だ」と言う方もいますが、私の経験上、それだけではダメなんです。というのは、もしバブルの頃にそういう会社の株式を買って持ち続けていたら、いまはむしろ含み損が増えているはずです。

株価の方向、天井と大底、売買タイミングを見極める

――本書では三つのテクニカル分析(指標)が取り上げられていますが、これらを選ばれたのはなぜなのでしょうか。

福永トレンド分析、フォーメーション分析、オシレーター分析ですね。投資で最も重要なのは、基本でもありますが「安いときに買って、高いときに売る」ことです。初心者は最安値のときと最高値のときが分かりませんし、天井や底でなくても株価は変動しますから、そういうときもタイミングよく売買をしなければなりません。株価の天井と大底、変動の仕方、そして売買タイミングを見極めるのにこの三つの指標が適しているんです。

まずトレンド分析ですが、これは株価の方向を教えてくれるテクニカル指標です。方向は上がるか下がるか横ばいしかありません。「損をした」という話を聞くとき、その人はトレンドが下向きになっている株式を持ち続けていることがありますが、これはいけません。儲かっている人は上向きのトレンドをきちんと押さえています。

儲かっていたのに売りそびれて損をした、という人もいますが、そうならないために天井や大底のときに表れる特徴的な値動きを分析するのがフォーメーション分析です。これにより株価の状況が分かり、株式を持ち続けるほうがいいのか、売ったほうがいいのか、判断ができるようになります。バブルのときにも株価は最高値にありがちな動き方をしていましたし、リーマン・ショックのあとの大底も特徴が出ていました。

しかし、株価は天井と大底だけでなく、途中でも上がったり下がったりします。ここをうまく捉えて短期間の売買に活かすのがオシレーター分析です。

この三つを覚えることによって、数日・数週間で売買を繰り返すような取引をする方はもちろん、何十年に1回だけしか投資しないような方でもチャンスを見つけることができるようになります。もちろんテクニカル分析は万能ではないので、間違ったシグナルについても説明しています。

また、より分析の精度を上げるために、テクニカル指標の微調整についても解説しています。これは初心者向けの本では珍しいでしょう。例えば、チャートの期間を変えると、売買のタイミングを変えるべきだということが浮き出てくるんですね。自分に合ったテクニカル指標を作っていくことで、売買タイミングの精度も上がっていきます。

株式取引は経済合理性に適っている

――本書がいう「ど素人」はどういう方を想定しているのでしょうか。

福永:これから株式投資を始めようという初心者の方、1冊読んでうまくいっていない方などですね。ファンダメンタルズ分析を勉強して、次にテクニカル分析を勉強しようかと考えている方にもおすすめです。何百種類もあるテクニカル指標をいきなり選ぶのは難しいので、本書を参考にしてみてください。

――その意味では、本書はすでに株式取引に興味がある方に向けた入門書ですね。そもそもの話になりますが、どういう方が株式取引をしたほうがいいのでしょうか。

福永:老後の生活を不安に思っていたり、お金の運用をどうすればいいのかと考えたりしている方でしょうか。社会人になって就職し、給料の一部を銀行に預けていても、まったく増えていきません。普通預金どころか定期預金ですら金利は1%に満たない状況ですからね。これからの自分の生活を考えるにあたって、貯金しても積み上っていくお金はほとんどないわけです。さらに生涯賃金も下がっています。こうした中で老後を考えるなら、株式取引に目が向いてくるでしょう。

別の投資としては不動産と為替がありますが、不動産は流動性が低いですし、為替は値動きが激しくレバレッジがあるため出入りする金額も大きくなってしまいます。つまり、株式取引が経済合理性に適っているんです。会社の業績がよくなれば株価が上がりますし、株主還元も実施されます。いい会社を見つけて投資できればお金が働いてくれるんです。株式取引は人生設計において大きな選択肢になると思いますね。

株価チャートは無数の投資家の心理と行動の表れ

――とはいえ、株式取引は貯蓄の先のものとして考えがちで、なかなか踏み出せないのではないでしょうか。「損しそう」というイメージが強い気がします。

福永:「損しても勉強だ」と言う人もいますが、私は間違いだと思います。基本的には、投資は知識が成功に繋がります。世の中の知識、企業の知識、テクニカル分析による売買タイミングの知識が頭に入っていれば、やらなくていい失敗は確実に減ります。

株式取引にはいろいろな人が参加しています。私が知らない情報を知っている人がいたとしたら、そういう人が「ダメだ」と判断したからこそ株式が売られて株価が下がるんです。国内外、何百万人もの人が考えて売り買いした結果が株価に反映されているわけです。なので、テクニカル分析で下降トレンドになっていると分かれば、誰かが長期投資を薦めても、自分で売りの判断ができるようになります。

株式取引を初心者が貯蓄の延長として考えるのは大事です。そこから一歩踏み出すのに必要なのは知識です。株式取引は書籍を読んだり株価を見たりすることで疑似体験できますから、それらを自信に繋げてもらいたいですね。

――本書を読んだとき、最初にタイトルの「株価チャートを読む」ことがどういう意味なのかと考えました。これは株価という数字が上下している理由を分析するのではなく、自分以外の人の心理や判断を分析することなんですね。

もう一つ大事なことは、投資先の企業に惚れ込まないことです。プロ野球でも、チームのファンになると最下位になっても応援し続けます。プロ野球なら毎年順位がリセットされるからいいんですが、株価は評価が下がると価値も下がって投資した分のお金が減っていきます。だからこそ、トレンド分析を一番に頭に入れてほしいですね。

業績はよくても過小評価されている、であれば将来は?

――最後におうかがいします。業績は過去最高のいまと、かつてのバブルのときとで、これほど平均株価が違うのはなぜなのでしょうか。

株価の推移を見ると、当時と比べていまの企業評価が低いことも分かります。しかし、これが今後どうなるかというと……株価は上がっていくのではないか、と頭に浮かんでくるはずです。

このように、投資家は先を読みます。つまり、株式取引を勉強するうえで重要なことは先を読むことです。そのために必要なことが知識です。私は知識こそがチャンスや成果を導き出す根源だと思っています。いつから勉強しようと、早すぎることも遅すぎることもありません。知りたいと思ったときが知るべきタイミングです。

ど素人が読める株価チャートの本

ど素人が読める株価チャートの本
著者:福永博之
発売日:2016年1月13日(水)
定価:1,500円(税別)

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